「乙女座の新月」の乙女座とは

「乙女座の新月」「獅子座の満月」——よく耳にする言い方です。けれど、この乙女座、獅子座とは、いったい何を指しているのでしょうか。

生まれ星座のことではありません。「今は乙女座の季節」という、暦の上の区切りのことでもありません。指しているのは、その日、空のどこに月がいるかです。

月は星空を背にして、少しずつ場所を変えてゆきます。その日、月がどの星座の前を通っているか。それが「乙女座の新月」の乙女座です。

太陽と地球と月の位置関係の図 新月の日は太陽と月が地球から見て同じ方向に並び、満月の日は地球をはさんで向かい合います。 太陽 地球

新月の日。太陽と月は、地球から見て同じ方向に並びます。

月も太陽も乙女座 ── 八月の終わりから九月にかけて

※二つの札を押しくらべてみてください。外側の輪は十二の星座、輪の上をめぐる小さいのが月です。

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新月は、太陽と月が同じ星座にいる日

新月とは、太陽と月が地球から見て同じ方向に重なる日のことです。月は太陽と同じ側にいて、光の当たった面を向こうへ向けているので、地上からは見えません。だから新月は「見えない月」なのです。

同じ方向にいる、ということは、月がいる星座は、太陽がいる星座と同じになります。

そして太陽がどの星座にいるかは、季節そのものです。太陽が乙女座にいるのは、八月の終わりから九月にかけて。ですから、乙女座の新月は、その頃にやってきます。

ここは、すんなり呑み込めるところかと思います。乙女座の新月は、乙女座の季節に来る。名前と季節が一致しています。

満月は、太陽と月が向かい合う日

ところが満月は、そうなりません。

満月とは、地球をはさんで太陽と月が向かい合う日のことです。月は太陽の光をまともに浴びた面をこちらへ向けるので、まるい姿で見えます。

向かい合っている、ということは、月がいる星座は、太陽がいる星座の、ちょうど反対側になります。

獅子座の満月は、獅子座の季節には来ません。

獅子座の満月がやってくるのは、真冬——一月の終わりから二月にかけてです。

その頃、太陽は水瓶座にいます。水瓶座の向かいにあるのが獅子座ですから、月は獅子座に灯る。真夏の星座の名を持つ満月が、雪の季節の夜空に上がってくるのです。

上の図で「獅子座の満月」の札を押すと、この入れ替わりが見えます。太陽が水瓶座の方へ移り(季節が冬になり)、月は向かいの獅子座へ渡ってゆきます。

だから満月は、いつも季節の反対側から昇る

この向かい合わせは、いつでも成り立ちます。ですから満月の星座は、必ず「今の季節の反対側」になります。

牡羊座 新月は春のはじめ(三月下旬〜四月)/満月は秋のはじめ(九月下旬〜十月)
蟹座 新月は夏至のころ(六月下旬〜七月)/満月は冬至のころ(十二月下旬〜一月)
天秤座 新月は秋のはじめ(九月下旬〜十月)/満月は春のはじめ(三月下旬〜四月)
山羊座 新月は冬至のころ(十二月下旬〜一月)/満月は夏至のころ(六月下旬〜七月)

夏の満月は冬の星座に、冬の満月は夏の星座に灯ります。季節と正反対のものが、夜空に上がってくる。満月が「受け取る」「満たす」性質を持つと伝えられてきたのも、この向かい合わせの構図から読めるところです。手のなかにないものが、向かいから照らし返してくる夜なのです。

月は、二日か三日で次の星座へ移る

ここまでは新月と満月の話でした。けれど月は、その二日だけ星座にいるわけではありません。

月は二日から三日ほどで次の星座へ移り、およそひと月で十二星座をひとめぐりします。太陽が一年かけてまわる道を、月はひと月で駆け抜けてゆく。同じ輪を、まったく違う速さで。

ですから「今日の月は蠍座」といった読みは、新月や満月の日でなくとも、毎日成り立ちます。月と薬草の暦でいう月星座は、この毎日の位置のことです。

星座の変わり目には、幅があります 月が星座を移る時刻は、暦によって数時間ずれることがあります。境目の日にあたるときは、前後の日も見ておくと確かです。当サイトの月星座カレンダーでは、その日のうちに月が星座を移る日に「◦移動」の印をつけています。

二つを重ねて読む

月相と月星座は、それぞれ別のことを教えてくれます。

月相いつ、何をするか。新月なら定める時期、満月なら受け取る時期
月星座その日の質。何を植えるのに向くか、どの作業に向くか

「乙女座の新月」という言い方は、この二つを一息で言ったものです。新月という時期に、乙女座という質が重なった日。だから乙女座の新月は、新しく始めるにあたって、細かく整えること、手順を組み直すことに向く——そんなふうに読んでゆきます。

読み方の実際は月と薬草の暦に、先の日取りは月星座カレンダーに。新月をどう迎えるかはまじないのページにあります。

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※当ページの図は、しくみを掴んでいただくために簡略化したものです。実際の月の道は太陽の道からおよそ五度傾いており、新月・満月のたびに日蝕・月蝕が起こるわけではありません。星座の区切りと季節の対応は、暦や流派によって数日の幅があります。

※当ページの暦は伝承・民間の習わしに基づく読みものであり、科学的効果や結果を保証するものではありません。