ヨモギ ― もっとも身近な万能薬草
道ばた、土手、畑のすみ。日本のどこにでも生えているヨモギは、草餅や草団子の香りとして、そしてお灸のもぐさとして、暮らしに深く根づいてきた薬草です。しかしヨモギの物語は日本だけのものではありません。遠く北欧の言い伝えにも、この草は「もっとも古き草」として現れます。
スポンサーリンク基本情報
| 和名 | ヨモギ(蓬) |
|---|---|
| 別名 | モチグサ(餅草) |
| 学名 | Artemisia indica var. maximowiczii |
| 科名 | キク科ヨモギ属 |
| 分布 | 日本全国の道端・土手・空き地 |
| 性質 | 多年草 |
| 採取時期 | 新芽は3〜5月ごろ。早春の若芽には産毛があり、この時期のものが食味がよいとされる |
| 使用部位 | 葉・若芽 |
| 帰経 | 肝経・脾経・胃経 |
| 主な用途 | 草餅・草団子、お灸(もぐさ)、薬草茶、入浴剤 |
ヨモギの言い伝え
ヨモギはウォドン神から与えられた「9種の聖なるハーブ」の一つとされていました。毒によし、空飛ぶ邪悪なものに良しと、忌まわしきものに力があると伝えられています。
日本ではなじみのあるヨモギは、草餅や草団子のように風味を楽しむだけではなく、お灸に使うもぐさの材料になります。様々な薬効作用があり、民間療法として親しまれてきた薬草です。
アルテミジア ― ヨモギの仲間たち
ヨモギは西洋では「マグワート」と呼ばれます。その仲間には、次のような草があります。
| ヨモギ | マグワート |
|---|---|
| ニガヨモギ | ワームウッド |
| オキナヨモギ | サザンウッド |
| ヨモギナ | ホワイトマグワート |
これらはいずれも、アルテミジア(ヨモギ属)に分類されます。ハーブの図鑑でも、これらは近い仲間として同じ頁に並べられていることが多く、言い伝えの上でも重なりを持っています。
まじないでの作用
| パワー | 超能力(サイキックパワー)、守護、愛情、降霊術 |
|---|---|
| 支配惑星 | 火星 |
| まじない | 悪霊祓い、降霊術、庇護、超能力 |
まじないを行うときの心得は「ATELIER Onnが考えるおまじないとは」をご覧ください。
スポンサーリンク活用方法
1. 草餅・草団子
春の若芽を摘み、茹でてあくを抜いてから細かく刻み、餅生地や団子生地に練り込みます。ヨモギ特有の香りと鮮やかな緑色が加わり、季節を感じる一品になります。冷凍しておけば、季節を過ぎても使えます。
2. ヨモギ茶
葉を洗って陰干しにし、乾燥させたものをお茶として煎じます。独特の香りがあり、食後の一杯として親しまれています。
3. ヨモギ風呂
乾燥させた葉、または生葉を布袋に入れて湯船に浮かべます。ほのかな香りとともに、体を温める入浴法として昔から親しまれてきました。肌荒れの改善や関節の痛みの緩和に良いとも伝えられています。
4. もぐさ(お灸)
ヨモギの葉裏に生える綿毛を精製したものが「もぐさ」で、お灸の材料として古くから使われてきました。もぐさづくりや実際のお灸には専門の知識と技術が要るため、自己流で行うのではなく、専門書や専門家の指導のもとで学ぶことをおすすめします。
まとめ
草餅の香り、お灸のぬくもり——ヨモギは日本の暮らしに深く溶け込んだ草ですが、遠い北欧の言い伝えの中にも、毒と邪を退ける「もっとも古き草」として息づいています。一つの草が、まったく違う土地でそれぞれに大切にされてきた、その重なりもまた、ヨモギという草の奥深さです。
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参考文献:
ペネラピ・オディ著、英国ハーブソサエティ編、近藤修訳『メディカルハーブ 薬用ハーブ完全図解ガイド』日本ヴォーグ社、1995年
レスリー・ブレンネス著、英国ナショナルトラスト協会監修、槇島みどり訳『ハーブ図鑑110 栽培と利用法の実践ガイド』
スコット・カニンガム著、木村正典監修、塩野未佳訳『願いを叶える魔法のハーブ事典』パンローリング、2014年
『薬膳アドバイザー養成講座 テキスト2 食材・生薬の知識』東京カルチャーセンター
古英語の呪文「九種の薬草の呪文(Nigon Wyrta Galdor)」、10世紀の写本『ラクヌンガ(Lacnunga)』所収